ご存知ですか?ソフトコンタクトレンズのグループ 分類と特長
ソフトコンタクトレンズは素材の違いによってグループに分類されていることをご存でしょうか? 使い捨てコンタクトレンズの箱ごとに同梱されている添付文書などで、ソフトコンタクトレンズ分類という言葉を目にしたことがあるという方もいらっしゃると思います。
ソフトコンタクトレンズのグループ分類とそれぞれの特長をまとめました。
ソフトコンタクトレンズのグループ分類
アメリカのFDA(米国食品医薬品局)で採用されていたもので、化学消毒溶剤(ソフトコンタクトレンズ用ケア用品)適性から考慮されており、1999年4月から日本にも導入された分類です。
ソフトコンタクトレンズ素材のイオン特性と原材料ポリマーの含水率(がんすいりつ)により
4つに分類されています。
素材グループ | イオン特性 | 含水率 |
グループI | 非イオン性 | 低含水 |
グループII | 非イオン性 | 高含水 |
グループIII | イオン性 | 低含水 |
グループIV | イオン性 | 高含水 |
イオン特性 非イオン性とイオン性
ソフトコンタクトレンズには電気的な性質の違いによって、
非イオン性とイオン性の2つに分類することができます。
非イオン性
・コンタクトレンズがマイナスイオンを帯びていないので、
プラスイオンを帯びたタンパク質汚れを引き寄せないため、汚れにくい
・脂質汚れはつきやすい
イオン性
・コンタクトレンズがマイナスイオンを帯びているので、
プラスイオンを帯びたタンパク質汚れを引き寄せやすい
・脂質汚れはつきにくい
・酸素透過性はイオン性レンズの方が高い
含水率 低含水と高含水
ソフトコンタクトレンズが水分を含む割合を含水率といい、その割合が低いものを低含水レンズ、高いものを高含水レンズといいます。含水率は数値で表され、数値が高いほど水分を多く含んでいるということになります。また、コンタクト素材の中の水分が蒸発すると涙から水分が補われることとなります。
含水率は酸素の通りやすさ(酸素透過性)と深い関係があります。
含水率が高いほど酸素透過性が高くなりますが、これは素材単体で比較した場合のことで、実際のコンタクトレンズの酸素透過性は、含水率の他にレンズの厚みも大きく関係しています。レンズの厚さが半分になれば酸素透過性は2倍になりますが、高含水(酸素透過性が良い)レンズほど厚みが出てしまうので、実際は含水率だけでコンタクトの良し悪しを判断することはできないのです。
低含水:コンタクトレンズに含まれる水分が50%未満
・水分が少ないため、目に届く酸素も少なめ
・形がしっかりしているが、装用感は高含水レンズに劣る
・元の水分が少ないので蒸発しにくく、乾きにくい
高含水:コンタクトレンズに含まれる水分が50%以上
・水分が多いため、目に酸素が多く届けることができる
・やわらかいので、装用感が良い
・水分が蒸発しやすく、水分を保持するために涙から水分を補うため乾きやすい
グループの特長
ソフトコンタクトレンズの多くはグループⅠ、Ⅱ、Ⅳに属しており、グループⅢに属するコンタクトはほとんどありません。
グループによる特長を知ることで、季節や環境によってコンタクトを使い分けたりすることもできます。
グループⅠ 非イオン性低含水
・タンパク質や花粉などの汚れが比較的つきづらい
・目が乾燥しにくい
・コンタクトレンズの形状保持に優れている
・比較的酸素透過性が低い
▶ 秋冬の空気が乾燥する時期や、
花粉が飛ぶ時期、夏場のエアコンによる乾燥対策におすすめ。
グループⅠのおすすめコンタクト
◎1日使い捨て
アルコン デイリーズトータルワン / デーリーズトータルワン遠近両用
シード アイコフレUV M / アイコフレUV M トーリック(乱視用)
◎2週間使い捨て
ボシュロム アクアロックス
クーパービジョン
バイオフィニティトーリック(乱視用)/ バイオフィニティマルチフォーカル(遠近両用)
グループⅡ 非イオン性高含水
・タンパク質や花粉などの汚れが比較的つきづらい
・酸素透過性が高く、目の負担が少ない
・素材が柔らかく、異物感が少ない
▶ 汚れに強く、うるおいも高めで、
柔らかいが形状保持性に優れているので、取り扱いがしやすいです。
コンタクトはじめての方にもおすすめです。
グループⅡのおすすめコンタクト
◎1日使い捨て
クーパービジョン クラリティワンデー
クーパービジョン マイデイワンデー / マイデイワンデートーリック(乱視用)
グループⅣ イオン性高含水
・酸素透過性が高く、目の負担が少ない
・瞳にフィットしやすい
・タンパク質や花粉などを吸着しやすい
▶ 装用感が良いのでコンタクトがゴロゴロするという方におすすめです。
乾燥感はコンタクトレンズ装着液などで水分を補いましょう。
グループⅣのおすすめコンタクト
◎1日使い捨てタイプ
メニコン フルッティ
そのほかの取扱いコンタクトレンズは、
コンタクトレンズのページ▶をご覧ください。
目も身体の一部です。身体がその時々で変化するように、目も見え方が変わってくるなど日々変化していきます。また、自覚症状がなくても眼疾患にかかっていることがあるかもしれません。安心して安全にコンタクトレンズをお使いいただくために、異常がなくても定期的に眼科検診を受けることで目の変化や眼疾患を見逃さないようにしましょう。そして、それぞれのコンタクトレンズの特長を踏まえ、その時々の自分に合ったコンタクトレンズを選ぶようにしましょう。